uta/kaz.
、地の底からそれを聴くの
だ、割れよ、ルビィよ、マントルの底で、燃
え盛る金属となれ、やがて私の血の底で滲み、
熔鉱炉へ吐き出されて銃に生まれ変わる、軍
服の熱の中で、弾丸となった汝は我を追う、
我は追われる、生われよ、終れよ)つながれ
た鎖を外し、そこで静かに息を引き取った。
引き取った後、引き返した。再び立ち上がっ
た。歩き出した。死んだと思っていた、けれ
ども死んではいなかった。死んでいたのは、
私の息であった。息は既に絶えていた。まだ、
死んだことにして片付けることのできない残
滓が、残っていた。それは地平の彼方に佇む、
途方もなく巨大な猫の目玉だった)瞳のくろ
いものへ、顔へ、その声の轟きを殺すな、猫
が――そこを横切るのだ。その歌を聴け
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