最近読んだ本いろいろ/ふるる
 
根性に敬意を表したいです。



『小さいおうち』中島京子 著 

昭和初期から戦争になるまで、女中さんとしてある家で働いていたおばあさんの回想録。と、その甥の後日談。

昭和初期の、お金持ちのおうちの生活や、女中さんが家族みたいに一緒に暮らしてることや、戦争がはじまったばかりの頃の、のん気な空気感がよく書かれてた。

戦時というと悲惨な苦労話が多いけど、女子たちは戦争が本格的になるまでは、のほほんとしてたんだなと。知らないって、幸せなことだなーと思いました。まるで、悪いものから守られている、幸せな子供時代がずっと続いているみたい。

みんながいいと言ってる最後の章は、正直いらないんじゃ・・・と思いました。
それまでの面白さに比べたら、意外な事実が判明とか、実はあれはああで、なんてことは、別にいらないし。本を読み進めさせるため、最後にちょっとした驚きをもってもらうための装置って感じ。

「ハンケチ」「シチュウ」とか「ずいぶん経済に考えました」とか、当時の言葉遣いも面白いです。


mixiの日記より。
戻る   Point(2)