木洩れ日/夜雨
 
ざわざわと
木洩れ日が落ちて来る

背に伸びゆく翼の
幾千もの小羽の
目覚めの呟きのように

ざわざわと
木洩れ日は落ちて来る

震える睫に
ひととき留まる涙に溢れる
夢の欠片のささめきのように

夏の日のみなそこの記憶が
冬枯れのみずならの樹冠を蒼く染め
風を切る羽ばたきの記憶が
凍てついた歩みを融かそうとする

大樹の蔭に
うずくまる小さな
翼持つものよ!

私はそこにいる

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