木洩れ日/
夜雨
ざわざわと
木洩れ日が落ちて来る
背に伸びゆく翼の
幾千もの小羽の
目覚めの呟きのように
ざわざわと
木洩れ日は落ちて来る
震える睫に
ひととき留まる涙に溢れる
夢の欠片のささめきのように
夏の日のみなそこの記憶が
冬枯れのみずならの樹冠を蒼く染め
風を切る羽ばたきの記憶が
凍てついた歩みを融かそうとする
大樹の蔭に
うずくまる小さな
翼持つものよ!
私はそこにいる
戻る
編
削
Point
(2)