春に恋う/
石田とわ
春を恋うように
遠いあなたをおもうのです
眠れぬ夜の午前三時
あたたかな布団のなかで
そっと寝巻きをはだけます
肌を撫でるあなたの細い指先は
春のようにあたたかく
おもいだすだけで
泣きたくなるのです
抱きしめてもらえぬならば
この冷たき土を掘り返し
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