ぶつぶつ言う/はるな
 

左うでをかばって働くから右うでのほうが汚れていたいつも

「どっちみちかなしいよ」
どっちみちかなしいのだ

泣くほうも泣かされるほうも

でもどこかでだれかが
重さをはかって得をする
ぜんぜんべつの場所から
こちらをみて
重さをはかって、
数をかぞえて

どっちみちかなしいのだ
汚れた右うでも
うごかない左うでも
どちらも同じようにみじめでかなしい

いいよ
べつに
笑ったって
喜べばいいよ

でも必死にここまで泳いだ
ここまで泳いだわたしを
この生ぬるさまで泳いだわたしを
馬鹿にするなら殺す
かなしみを馬鹿にするなよ
かなしみを
それでもしがみつくことを
馬鹿にするなよ


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