のばす/透明な魚
「僕はどちらの方が悲しいのだろう?」
生きることは結局そういうこと
そして其れは悪ではない
生そのものには悪を孕んでいるけど
僕等が生きようとする事そのものは肯定されている
だから僕は肯定していることを支持する為に
僕を否定する
僕が羽を持っていないこと
それは僕が生きることについての説明書そのものなので
僕は其れを書きかえることを許さない
神様に最も近いものが千の羽を持って
その羽が限界までの色数を識しても
僕は五蘊を顕して退けるだろう
生まれてから全ての羽を誰かに分け与えて
そのことが僕を否定しても
僕は涙をすることはない
なぜならその涙は君が流すから
空から降る羽の一枚
その懐かしい色と匂い
ekamからdvadashaその先ずっと数え続ける
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