あなたという詩集を読む/ただのみきや
あなたという詩集を読む
ページをめくるごとに
あなたは姿を変える
それは紛れもなくあなただ
湖面に張った氷の下で
微かにあなたの体温を感じている
あなたはぼくをぎりぎりまで追い詰める
思想の最上階のレストラン
古びた書物を見下ろしながら
あなたと晩餐の席に着く
ぼくは内ポケットに
五つのなめらかな意思を忍ばせたが
きみの食卓は極彩色で
前菜に翡翠の踏み絵を食べさせられる
どうかメインディッシュの封印が解かれませんように
一つ一つのありふれた言葉が
翅をつけて飛び回っている
麗しのティンカーベル
おっと気をつけろ
蝙蝠の翅に蜂のお尻のやつもいる
羽
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