仕事帰りの誘惑/イタチ
 
こんな綺麗な夕焼けが僕を待っていたのに

僕の隣に君がいない

だから僕は指をさして言った

 あのオレンジに染まった雲にのって

 あの大きなまんまる夕日にむかって


 そしてどこへ行くんだ?


夕日はいずれ沈むだろう

そうすればあの雲は元の色をとりもどす

暗くなった時

僕の指先に何がうつっているのだろう

おそらく満天の星が僕の指先を照らしてくれる

僕はもう一度、
 
 あの星へ飛んでいきたい


と届くはずもない星に手をのばし


結局は いつもの所へ帰っていくよ



君が好物のシチューなんて作って

僕を待っていてくれるから



戻る   Point(1)