月逃げて/
石田とわ
夜空にグラスかかげれば
茄子紺のよる揺らいでる
氷の隙間で三日月泳ぎ
するりとかわし遠のいた
寂しさつのれば溢れだす
追えば孤独がますものと
知ってしまえば追えもせぬ
月が傾きよるが泣く
おんなは孤独の背を撫でて
あやす言葉を繰り返す
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