[:strip/プテラノドン
 
トラックの中で待ちぼうけする羽目になった友人が
気になって。
Nはチンピラに「十年はえーよ」と
からかわれたと言った。そいつ等がいう十年が経ったら
興味なんてなくなるし、頭をからっぽにして
タンバリンやマラカスだって叩けなくなる。だから
「お前も来いよ」と友人が言った。けどやっぱり無理だった。
車内で、誰かがくすねてきたマラカスを皆で
代わる代わる振り続けた。
そして最後に、運転していたSが
それを窓から放り投げた。
フィニッシュ、その発音で、ふたたび死にはぐった。
クラクション、もしくはベル。
僕らは最初、自転車で
行くつもりだった。帰り道が裸でも。

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