こもる/凪 ちひろ
ただ生きていくことが難しい
生き残ることが難しいし
毎日を幸せだと感じることは もっと難しい
一人では幸せを見つけることができず
けれど 人の中に入っていって傷つくのは怖い
布団の中にこもって その温もりにのみ安心を覚え
「出たくない」「行きたくない」と
甘えていたかった
それは悲痛な叫びにも似ていた
「そんなことでは何も変わらない」
なんていうのは 強者のお説教で
言われれば言われるほど
傷ついていく
でも
「いつまでも休んでいていい」
なんて言われたら
わたしはずっとここから出られないだろう
そしていつか 浦島太郎になった自分を見るのだ
逃げてし
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