今年/
salco
は飢えて
雪の上、すっかり凍った小さな骸
けれどたった独りの肉親は?
少女はもう少し途方に暮れ
もう少しさ迷い歩かねばならない
去年はもう雪の下
実は去年の九月に何を失ったのか
本当には理解していない
だからそれがわかるまでこうして
一面の冬を
墓を探して歩かねばならない
知らん顔の地づらが
小さな足跡の悄然であばたになるまで
よそ行きの黒い靴の中で少女の足が
かじかんで歩けなくなるまで
あとは春が来て雪が溶けるまで
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