君に一等賞を上げよう事件 / 冬もやっぱり不思議話/beebee
け始めたんだ
君にも一等賞をあげましょう
だからあなたにも一等賞を上げましょう
おっとそこの君にも一等賞をあげますよ
ふざけているのか君も同じように回りに声をかけ始めた
図書館は不思議な気持ちの人でいっぱいになった
ぽかんとする人
取りあえず笑う人
なに、なに?
隣の人に聞き返す人
ホコリっぽい空気の中で斜めから日が射して来て
キラキラ光の筋が伸びて来る
白い光が満ちて来てぼくは不思議な気持ちでいっぱいになった
肩の力を抜いて座るんだよ
隣合わせに見交わして言う
頑張ったね
よくやったね
ちょっと休憩しよう
もう肩の力を抜いて
油断しても大丈夫!?
君はずいぶん頑張った
頑張った君に一等賞をあげよう!
って
はい、だからみんな大きな声で一緒に言ってね!?
《 きみに一等賞をあげよう! 》
どう?
幸せな気持ちになった?
やっぱり神さまは
いるんだよ!?
君は笑って肩で僕を押した
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