野良サラリーマン/暗闇れもん
我慢を溜め込むと体が傾く
我先にと色とりどりの臓器が競いだす
美しきものたちの夢
臓器はひしめき音を奏で
好んで灰色の空を泳ごうとする
そんなやつらは増やすべきでない
野良サラリーマンはわかっていた
逃げた溜め息と雑踏を吸い込み
ふくらむ体を持て余すなら
風船となり
高く天を目指し
色とりどりの生臭い花火をぶちまけるのがよろしいと
見ず知らずのフェンスが誘惑した、夜
野良サラリーマン
救われたよ君に
そうか
君も戦ったのかプライドと
そして勝ち取ったのか自由を
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