モノローグ/石田とわ
 
        

        暖房のきいた薄闇のなかで
        ことさら物憂げにゆっくりと
        衣服を脱いでゆく

        (ここはそういう部屋だから)

        スカートをたくしあげ太腿でとまっている
        黒のタイツを脱ぎ捨てて
        それからようやく上着に手をかける

        (そうもっとゆっくり緩慢に)

        足の爪に塗られたペティギュアは
        血のように赤くなくてはならない

        (ひそかな抵抗の証)

        こんなおんなに何故なった
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