年の始めの質問は/板谷みきょう
 
玄関のチャイムが鳴り出てみると
「宗教勧誘の二人連れ」が
冊子片手に立っていた

うわっ!
厄介なことに扉を開けてしまった
と思う間も無く
妙に愛想良い笑顔を浮かべながら

昨年の震災のことや
見通しのきかない将来の不安を
はきはき
ぽんぽん
神様のことも
熱心に話してくる

信仰の証の個人的実践が
他人の時間を奪うこと

信仰が強くなればなる程、
独善的で排他性が強くなること

それでも行動に駆り立てる
アナタの心にあるものは何か

そんなことを逆に尋ねてみたら
聖句を読み始めた
だからその一文に感動した
個人的な背景を聞かせて欲しい

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