nuclear drug./雅寛
 
月の粉を飲もう……。
核分裂、精神分裂。
月の光を浴びよう……。
ブラックライト、白く染まる肌。

左右一翼だけの、気の狂れた天使が、山羊の首を取り合いながら神に捧げる。
神はその風景を二つに折ってハサミで切り、垂れ流す、山羊の血を美味しそうに飲んだ。

原子の粉をばらまこう……。
禁じられたミサ、燃え上がる燐。
医療器具を解体しよう……。
サバトの夜、邪教の唄が聞こえる。

降り注ぐ、月灯りに舞う、堕天使達の塵を吸って廃に成ろう。
原始人の様な踊りと、ヒステリックに抜ける髪、止まらない。

黒い朝から、月が漏れて、月は血と涙で赤く染まる。
何度見ても分からない恐怖から、目の神経はストレスを感じ、赤く染まる。
青い地球を、たった一人で永遠に見守らなければいけない恐怖。
垂れ流す、透明で赤い血を、受け取る器が無くて、銀河は赤く染まる。

月を、経て。

邪教の唄を、人類が皆、絶やす事なく歌っている。
もう一つの月が、星を飲み込んで、星空はただの空に変わった。
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