連作。。。いつの間にか遠くに。。。/永乃ゆち
 





「思い出」

幼い日シロツメクサを胸元で揺らした君は永遠でした

枕木が苔むしていて少年は永遠などはないことを知る

誰でもが大人になるのをためらって残酷の中成長してく

爪を噛む癖がついてしまったらオアシスのない旅が始まる

ブランコを漕ぎ出す勇気が持てなくて胸のあたりで冷める合鍵

「愛憎」

球体にくぎ打つような恋愛に私は何を求めたのだろう

傷付いて傷付けあっていつの日かコールタールに花の咲く時

つま先を並べたベッドに月明かり優しく影を落としてく夜

思い出を数えてみても意味はない愛してたこ
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