神戸におけるコントラスト/中川達矢
傾いた街灯、その足元は
海底と繋がっており
一回の視野の中で
復元されたサンタマリア号と並ぶ
その奥で
ガラス張りのビルが
頭、胸、腹を平らに
ものとものとを繋げている
それは1995年の祈念ではない
上下で方向が異なる高速道路を走る車は
その足元の恐怖を知らないでいるが
異人は短い坂を登って
先駆者の社を気にせずに
丘を居場所とした
今ではそこに占拠している同人が
関所の門番のように生活費を稼いでいる
そして人工の島にあるIKEAで
それらしい家具を揃えているのだろう
坂に飽きた人々のためのエスカレーターは右肩が凝っている
始まりから終わりまで右肩が凝るようになっている
傾いた街灯は何もおかしくない
右肩が凝っているわけではない
人々の視界が傾いているのは
坂でも、海でもなく
足跡の歴史
新幹線が音を立てて山の中を走る
街は遠く
傾きを思わせて
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