狐の嫁入り/
冬野 凪
日刊ゲンダイ」
「走れメロス」口から飛び出し逃げ戻る
詩神は口ラッパがお上手
穴といふ穴から詩心が溢れ出る
寒椿昇天してよみがへり
主人公は僕だつたのか死ぬ間際に気付く
蜂飼ひを拐かしてはクローバー摘む
いつもとは違ふ道行く狐の嫁入り
淋しさを殴りつけては椿咲く
淋しさは鬼のかたちして現れる
寝る前にドアを少し開けてみる
淋しさをさかさまにして慰める
まばたけば電気が走る鉱泉水
戻る
編
削
Point
(3)