氷雪の灯火/within
まぶしさがいずこからかやってくる
湖面は揺れ
私は浮かび上がろうともせず
かといって沈み込むこともなく
散り散りとなった魚たちの肉片を
生臭い目で受け止める
巣の中で縮こまる小鳥のような
心臓の鼓動に
私は支えられている
体中を巡る生気は
見えざる者たちと
つながっていることを
証明している
まぶしさはいつしか熱を運び
私の目は耐えきれずに閉じられる
そして身体をひるがえし
湖面の上へと跳ね上がる
太陽が顕わにした町に向かって
限りある命を灯すために
戻る 編 削 Point(12)