『幻』/あおい満月
 
深い胸の奥
求めるものは何だろう
ありきたりなことばだけの感情ではなく
細やかだけれど
静かに燃えている
わたしのなかの
赤い熱

わたしから
眠りも咀嚼も
飲み込むことも奪って
支配する
もう一人の
少女のわたし

その声を想う度に
目を閉じたはずの傷口が痛む
寄り添うことが
叶わないから
あなたはこの世界にはいない
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