リリックとして/竜門勇気
だいたい僕が書いてるものは何だろう
半分ほど埋まったノートを見て思う
やはり僕の中には無数の猿が叩くタイプライターが存在するのだろうか
薄暗い廊下に並んだ果敢な類人猿の挑戦を
選んで指先に伝えるナビのただの気まぐれにすぎないだろうか
薄暗く光るモニターに映し出される文字は
閉じた僕の内面で揺らめく不確実な結実を結んでいる
どうしてこんなことを続けているのだろう
安いカタルシスや焼け石に水の自尊心への給水?
当たるべき選択肢はどれだ
流れるテキストそのものだ
リリックとして 喋る言葉の合間、それに何が似てるのか
ヒトの、イシってやつなのか、それともそいつらと違うなにか
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