糸電話/桜 葉一
 
雲の巣みたいに張り巡らされた糸が
緻密に優雅に空に浮かんでる
 
君の声が聞きたくなって
桃色のそれを選んで
口元へと運び
 
「××××」
 
と愛の言葉を囁く
手に持ったそれを素早く耳にあて
今度は君の声が届くのを待つ

窓の外 
沈みゆく夕日に染まった空と
がんじがらめの小鳥を眺めながら

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