風邪/葉leaf
 
痛ましい日々を相殺するように
僕の体は卑小になる
すべてが抜け落ちた後に
核のようなものが残った
その核はただれている
時間が湾曲して僕から逃げていく
望まれない永遠のなかで
ただ生きることで何の痕跡が残るだろう
何も残さないために
これだけの症状があるのだ
何も残さないために そう

僕には加速度がない
僕にはためらいだけがある
存在する
なんて言葉は明るすぎて使えない
死んでいく
なんて言葉は力み過ぎて使えない
物質よ
そんなに僕に食い込まないでくれ
いつから君たちは敵になったんだ
とりあえず
対話ともつかない照応のなかで安らいでいる


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