愛の章/梅昆布茶
 
そこにあるのは悲しい沈黙

誰も触れない


君に話したものは希望

君にはわからない真実


僕たちは誤解という小さな罪を積み重ねてきたね

ジョン レノンを貫いた銃弾はいまも僕たちを貫いているのだね


テーブルの上の静物のように

必然を装う必要はないのさ

ぼくたちは動体視力の体現者

小さな世界の福音なんだね


たとえ幻であっても一夜の温もりに酔うスティーラー

ダンシングスクールの悲劇を演じる蝙蝠なのだよ


君の体が震えるとき僕の正体がわかるのさ

果てしない闇だってね


醒めた眼で見ないでよ もう少し酔って欲しい

長すぎる夜は 詩人にとって とても毒なのだよ


欲しいものなどもう何も無いさ

24色のクレパスで描いた君の面影抱いて

ボブ ディランのように歌うのさ

ホーボーの子守唄をね


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