グルーヴィン棘/komasen333
 
「 こんなはずじゃなかった 」って    
初めからわかっていたくせに
何を今さら言っているのって思うのも、その掌での手拍子に過ぎないのかな



狂おしく流れていたような風の日々に
少し軋みが目立ち始めたようだねと、すれる音を暗に陽に冗談めかして指していたその涼やか



それまでの私なら『 よく言うよ 』なんて言い返したり
『 そんなことないよ 』なんて可愛くまとめることもできていた    けれど



そのとき、気づいてしまった
その言葉の端々から醸しだされている温もりのような趣の影にひっそりと隠れている棘に



少しずつさり気なく
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