薄墨の絆/そらの珊瑚
 
絆」を結べないうち
いなくなってしまった人には
もうこうして手を合わせることしか
できることがない

最後に触れたあなたの手の
あの
泣きたくなるような
切なさだけが
あなたとの「絆」といえば
「絆」であったといえる気がする

それは私の免罪符

そして
いつか
私が死にゆく時
誰かが私への免罪符を欲しいと願えば
天よ
惜しまず
それを与えたまえ

それが
「絆」と呼べないような代物であったとしても
私はそれを
「絆」と呼ぶであろう

新しい年がやってきた




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