登山計画/いばら
約束は口語体で
劣化したら
パリパリ割れて下にこぼれるの
それを踏んで 土に馴染ませる
自惚れてる嘘つきだし
いくらでも
各々の自由な空想を抱けた
どの山頂で春の夢をみるだとか
話を合わせて面白がった
これではまるで
愛に憧れただけの
向かい風に甘んじている
ゴーストような空洞のくせに
自尊心だけは健在なため
都合の良い弱さを
持ち出したりして
けどそんな
真剣なお遊びも
いずれは終わる時がきて
逢えなくなるのを知っていたから
わたしは手紙を書いたけど
川に流れて届かなかった
それで現在
布団にうずくまって
死んだふりをしている
隙間から時計の秒針が
カチカチと冷たく響いて
急速に
現実味を薄れさせている
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