始まりの物語ー終わらない話/……とある蛙
ツした石ころの転がる赤土の土地だが
とぼとぼと歩む足取りの後ろに
あきらめて立ち止まる骸を狙って
灰色のハイエナが様子を伺い
上空には狡猾なハゲタカが獲物を狙って舞う
荒野に一滴の水源も無く
食べることのできる果実は何一つ実っていない
しかし、目の前には道があり、
その遥か彼方には目指す地平線がある。
年が明けて夜も明けて
地平線を目指すのだ
見えない希望であるかも知れないが
何一つ保証など無いかも知れないが
誰も付いてくる者は無く
独りぽっちで歩くしか無いのかもしれないが
しかし、地平線を目指すのだ
立ち止まって大地に食い殺されないよう
自分が自分であるために歩く
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