君が走ると/
まーつん
ぎに行くとき
いつも後をついてきてくれた 忠実な裸足の友 その栗色の眼には
言葉にならない知恵を湛えて 今 少年に最後の 教えを残していった
ひとひらの 死を
こけつまろびつしながら 少年は走る
自分を駆り立てている 不思議な感情を見定めようと
初めてそのまなざしは 己の内側に向けられるが
まだ上手く 焦点を合わせられない
君は今日 悲しみを知った
安らかな友の死に顔
靴底にこびりつく土
地平線に歩き去る青空
君は今日 悲しみを知った
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