日々の垂れ流し041125/A道化
4年、10月、1日だ。) 人気の疎らな地下鉄、ある駅で停車した途端に、男の作業員が、天井に吊り下げられている、或いは壁の薄い透明のシートに入れられている、百貨店や雑誌やテーマパークや交通機関の割引チケットや沿線の観光案内などの広告チラシを手際よく交換する。そのあと、網棚や座席に置き去りにされた雑誌や新聞を回収する中年の女の清掃員が、手押し車と共にやって来て作業を終えて去り、徒労、を私に残す。
風景を、フレームから順に忘れてゆく。
日時を忘れ、曜日から遠のき、感情に似たものが残る、色に似たもの、感触に似たものが残る。逆に、残っている感触に似たもの色に似たもの感情に似たものと共に、ふと、さまざまなフレームを順に思い出すこともある。けれどもまた、フレームから順に忘れて行き、例えば、徒労と、徒労を残した手・何度でも滑り落ちる新聞の映像と、その徒労を受け取ってしまった私が、残る。
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