The leaf./Akari Chika
森が本だと想像してみる、
一頁一頁が緑の葉っぱで出来ていると。
陽の差し込む部屋でそれを開いている
まるで十四歳の気分で
カサカサした木の皮の表紙をめくると
光の透ける葉脈から文字が浮かび上がる
植物の匂い
共に繰り返す呼吸
瑞々しい触感
青々しい視覚
蝶々のように色を変えて
わたしに語り掛ける青い肉体
本は森。
世界の深淵に生え茂る森
わたしはたったひとつの宝物を見つけた
その日に限って家は静寂に満ちていた
涙が頬をつたう
誰にも見られてはいないだろう
空気だけがやわらかく
点描を描きながら浮遊していた
愛されるものは名前のあるもの、
た
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