大手町 一二月/……とある蛙
 
師走、大手町に佇む

結論を先に述べれば
大手町は冬が似合う
春は似合わない背広を着た集団がおしゃべりをしながら行き来し
秋には忙しそうに眉間に皺を寄せた人々たちが行き交う
夏はいけない
夏はひどく蒸し暑く
日比谷通のアスファルトが歪んで溶け出し
ゆらゆら揺らめいている。


左手に
官庁と日経関係施設建物
ガラス張りのエントランスホール
膨らみの無いエンタシス
御一新以降
 銀座と並ぶレンガ街区 
次々増設されたビルディングの群
その中に将門が怨霊
 大蔵省を恐怖させ
 元神田明神

前方神田橋を越え
本郷通りが小川町交差点まで伸びている
歩道上
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