こころねじ/メチターチェリ
往来で拾い集めたこころねじコタツであたため疲れて眠る
枕辺で季節はずれの夏祭り足並み揃う下駄とサンダル
サクサクと雪を軋ませ盆踊り寝巻きのぼくは係り合わない
金魚すくい救われたのは外来種にがす先は猩猩(しょうじょう)の森
枯木立 若者たちが事の跡 雪の白にも倦まず種播く
タコ焼きよりもイカ焼きが好きイカを串で刺したのではない
保育所で吸血鬼を飼っているトマトジュースで我慢させてる
浴衣着て群れる人波ひといきれ「花火やりたい」言ってみただけ
打ち上げた軌道が反れて耳の中きぬたハジケル失恋の音
「指が好き」褒めるところが他にない三半規管で泣いてみせる
欲望と名づけた夜汽車駆け抜ける窓を見遣れば月とけれんみ
くよくよとよく慾ばる翌朝には夢の数だけ風邪をひいてる
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