僕の物語/藪木二郎
 
纏めで横棒に吊るされ
 焚き火で
 背骨のほうからジュージュージュージュー
 もうこんがり
 けどそん中に
 どことなく丸っこいフォルムの
 丸焼きがあってさ

 チッキショウッ
 あれはギルダだっ

 オーガ共めっ
 なっ
 なんてことをっ
 赦さんっ
 絶対赦さんぞおおおおおおおっ

 って
 勇者達の科白
 入力しながら俺
 なんかちょっと
 妙な気分だったな

 その手の小説って
 大抵さ
 プリンセスの救出イヴェント
 あんよね

 さあそっからさ
 俺のペンが走り出すのは
 いや
 ワープロぱちぱち

 勇者の親友だけど
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