幕/
まーつん
な、小さな男の子だった。男の子はやり遂げたがる生き物なので、こんな些細な障害にも真剣に悔しがってしまうものなのかもしれない。
だけど、終わったのだ。
今年はもう終わり。
あとは袋の口を締めるように、
締めくくりの過程が数日分、残っているだけだ。
ある人々にとっては、燃えるゴミに出してしまいたいような、
別の人々にとっては、宝物蔵に収めておきたくなるような、
そんな、いまいましく、かけがえのない思い出を育んだ、
一年の幕が、おりようとしている。
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