ストーブと広がる世界/
雅寛
スプレイ。
こうして長く、淡い……眠りを繰り返す内に、
隙間をすり抜けるのが、上手く成り過ぎたみたい。
灰色の朝……。
ストーブの前、何時の日も君を待っている。
この場所なら恋も夢も歪む事はないから、
君もきっと抱いたまま眠れるから。
昆虫の様な細く長い体躯、抱き締め合う。
はじめから、
それだけ、有れば良かったのに。
広がり過ぎた世界が、冷めていく夢に、サヨナラした。
最後に見たカケラの君、
そう、全て綺麗なままで。
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