おれ、やりたいほうだい/竜門勇気
 

きらいなけしきは
きのうにきえてった

街の夜は
妄想を許して
どっかにきえてった

自転車のタイヤ

自転車のタイヤ


ふたりのふりして
言葉と言葉
接続はゆがんでいく

はじめて触ったものは
のうみそのなか

一人のくせして
誰かと誰か
甦る海原の表面

自転車のタイヤ

自転車の旅

暗がりが濃くなれば
なるほど
夜は闇のもの
深いピンの肖像
影に触れていれば
やがて光は忘れれるって
手探りの絶望に慣れようともがいてた
朝が来てしまえば
見えてしまう
自転車のタイヤ

やがて全てが光の中で色褪せても
残像の闇
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