夜想する/メチターチェリ
振り切れている一本の針。呼吸し心拍を上げて次の打擲を待つ。時の経過は音や光の揺らぎで知れた。繰り返される規則的な動作を目をつむり、静かに受け入れていればいい。
地球の裏側にはキセツ、季節が浮かんでいた。はるか海原の地平線に沈む夕日やら月のおちくぼ。ぼやけた輪郭。星の数ほどの祈りから一つの夜を選びだす。その気になれば夜はどこまでも続いている。
熟れた果皮に夜気はほどよく心地いい。時どきガタガタ音がするのはふるえているわけじゃない。むしろ燃えるほど、表現は複雑になっていく。そういうのってやっぱり禊ぎに似ている。
水の中でも穢れはついてまわるから歩くのは辛い。足は重いし、あたりは暗い。魚し
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