今日を追う/瑠音
朝 目が覚めた時点で電車には乗れる気がしなかったけれど
急いで食べたご飯が正解だった
話すことは
他愛もないも良いところで
大きな信念とか使命とかそういうものを持たない私達は
この電車に揺られる15分を大切にしたりはしない
寝て過ごす時間の隙間に
はめ込まれたマラソンに息を切らしたり
占いについて笑いあったり
だから
私達には大きな信念も使命もそういうものは何も
ないんだってば
午後3時
寝ながら
逆の道を揺られていく帰途に
君が水を差してくれることを小さく期待している
自転車の速度を
緩めたくなるような出来事を期待している
奇跡は
起こり得るから奇跡だと
誰かに教えてほしかった
ただ今日も
君に会いたいと夕方を抜けていく
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