開幕寸前/
佐々宝砂
どうやら今は十一月らしいが
ここは真夏
窓の桟は火傷しそうに熱いし
汗がだらだら落ちてくる
どうしてこんなことになったのかわからない
四肢が莫迦に大きくなって
部屋いっぱいに広がっている
当然着古したシャツなんか破れている
そんなこんなで
身動きとれないんだが気分は軽い
もうすぐパーティーがはじまるし
問題は素っ裸になっちまったってことだ
ドレスアップしなくちゃならないんだが
困ったな これじゃどんな服も着られない
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