腿/草野春心
 


  あなたの腿に
  手を置く



  その
  柔らかさの奥に
  生きていることの
  鋭いさびしさがひしめいていて



  ぼくの心に
  さっと
  一本の線がひかれる
  傷のように
  なにかと
  なにかの
  決定的な境界のように




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