ぷかぷか日和/たもつ
 
透明な波が
どこからかやってきて
ささささあん、ささささあん
とうち寄せてくる

けれど
透明な波はあまりに透明だから
私はいつもそれに気づかない

例えば
静かな朝の食卓
箸をのばそうとしたポテトサラダが消えていたり
祖母がよく作ってくれたオートミールがのっていたり
あるいは
ハムエッグとトーストの場所が入れ替わっていたりして
私はいつも透明な波のありかを知る

ささささあん、ささささあん

透明な波に少し翻弄されながら
透明な波にぷかぷか浮かぶとき
私はいつも
ささささあん、ささささあん
とおしゃべりをしてみる





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