I Autrement qu'être ou au-delà de l..../イリヤ
 
存在を排斥しようと努める否定性も、存在を排斥した途端、存在のうちに没してしまう。空虚がうがたれるや否や、il y aの無言の呟き、あるの匿名の呟きがこの空虚を塞ぐ。喩えて言うなら、たったいま死んだ者が残した空位も、その座を占めようとする志願者たちの呟きによって埋められてしまうのだ。*1




無意味な私の死のなかで、徐々にうるおっていく倦怠が膿む。在るということでさえ、移ろう言葉の再定義の繰返し、幾夜の不眠に疲れたその瞼の深い皺に、ゆるゆると通過していく乗換え客の渦。思弁的なことわりにさえ、君は首をふらなかった、ただ沈殿した水底のよどみを透過してさぐりあてる、足指の登攀に伴う幾多の困難さえ、こんなにも自由に焦がれている。
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