空転突飛腹八分目/ただのみきや
 
          を削る雨のナイフ
                ・・ あっ

     【突然】びゅぅー!るり〜【風が吹く】びゅぅー!るり〜らら〜

建物は崩れあちこちに「ことば」の箱は転がった 男が慌てて箱を拾い集めていると 男の息子がやって来て言った「父さん その箱からっぽで軽いから風に飛ばされてしまうんだよ」 息子の正論は男を頑なにする 「いいからあっちへいって二字熟語の勉強でもしていなさい」 男は「実存」と書かれた空箱をまさぐりながら考える「もっと重量感のあることばを使ってみるか」


         
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