つくば/……とある蛙
小高い丘に向かってだらだら延びる道
リードを着けた猫と一緒に
だらだらと線引き
一呼吸ごとに振り返り督促する猫
漸く丘の端にかじりつき
突き当たりのフェンス越しの滑走路
滑走路を飛び立つ赤とんぼ
フェンス脇の直線一〇〇〇メートルを並走する。
空には秋の雲
薄の穂の遙か頭上 旋回する赤とんぼが見える
滑走路越しに見える格納庫
ゆったりと軍用の輸送機が引きづり出される
滑走路の端の所定位置の鎮座して
風見鶏、管制塔の遙か彼方の山脈(やまなみ)
つくば
遮るもの無く望める筑波山
関東平野のおできのような霊峰筑波山
古には不二と覇を競った筑波山
その山頂には昔も今もたくさんの人が集う
突然冬の空が落ちてくる
その時透明な大気越しに
ハッキリ遠方から男体山女体山が目に入ってくる。
空気が透明であったこともその時知った
その山麓には言うまでもなく四六の蝦蟇が眠るのだ
四六の蝦蟇が眠るのだ
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