詩と宿命/yamadahifumi
 
まれないのだ。社会と葛藤し、自己自身を生み出さなければ、簡単とも思える詩一つをひねり出すことも凡庸な人間にはーーー(いや、天才でさもーーー天才というのは正にこの社会と葛藤し、自己を生み出すものだからーーー)できない。詩というの宿命が奏でる一種の音楽である。だが我々現代人にはそれが欠けている。それが欠けている状態で生まれる。・・・だからこそ、詩人になるには、まず、それをどうにかして生み出さなければならないのだ。・・・どうやって?・・・その問いには答えられない。それを生み出すことこそがーーー正に人生という大きな問いについての答えだからである。君は方法論のない、君自身の人生という大海に向かって漕ぎ出さなければならないのだ。ーーー君が詩人になるかどうかという問題はさておいても。



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