君はなぜ泣く/まーつん
君は なぜ泣く
いずれ全ては 塵に帰るだろう
その時涙を流すのは たぶん空の雨雲だけ
君は なぜ泣く
瞳の奥に築いてきた堰(せき)が 崩れてしまったのかい
人の言葉が 痛ましい眺めが その石積みを繰り返し叩いて
冬が降りてきた
木々は裸にされ 降り注ぐ枯葉の色
朱色や橙の 熱のない温もりが 君の心の中の
こわれやすいところを マフラーみたいにくるみ込む
君は なぜ泣く
それはもう記憶さ 色褪せていく過去
枯葉舞い散る冬景色が 僕たちにそう告げている
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