しずかなよるに/草野春心
 


  ゆうべ
  きみのまとう
  しろい布にふれました
  それはやさしく湿っていて
  かみさまの一部のようでした



  ゆうべ
  窓のそとでは
  たくさんの雪が舞い落ち
  うつむくひとびとは皆
  はいいろの影のようでした



  それは
  しずかで
  あまりにしずかで
  傷をつけたくなるくらい
  とうめいな夜でした




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